Javaをはじめよう!第6回~識別子、基本データ型とは~

2015/12/21

はじめに

前回はJavaで使われる専門用語、予約語やエスケープシーケンスについてご紹介させて頂きました。

今回は、他にも必要な知識として識別子、基本データ型についてご紹介させて頂きます。

プログラムの記述の仕方

識別子(Identifier)

識別子とは、クラス名、メソッド名、変数名などプログラムを書く人間が任意の文字列で指定できる名前の事をいいます。
例えば、数字を入れる前に「number」と付けたりすることができます。しかし任意の名前といってもなんでも許されるわけではなく、識別子を記述する規則があります。(変数名に関しては次の変数のところで出てきます。)

識別子の規則
●識別子には予約語(キーワード)とリテラル(定数)を使ってはいけない。

●識別子に使用できる文字は、英字、$、_、数字です。ただし、数字を識別子の先頭に指定することはできません。

●大文字と小文字は区別されますので、予約語の文字を大文字にすると使用することはできます。(紛らわしいのであまり推奨されません。)

識別子の他に、識別子の推奨される書式というものがあります。基本的にはこの記述をするようにしましょう。

推奨される識別子の書き方

識別子の種類 推奨される書き方
クラス名 単語の先頭をアルファベットの大文字で記述し、他は小文字で記述する。複数の単語を使う場合も同様
メソッド名 単語の先頭文字をアルファベットの小文字で記述し、他も小文字で記述する。複数の単語を使う場合は後半の単語の先頭文字だけ大文字にする。
例)sampleMethod
変数名 メソッド名と同様
final変数名 全てアルファベット大文字で記述する。複数の単語を使う場合は間に『_』(アンダーバー)を記入する。(final変数とは初期化した値以外に変更することができない変数)
例:final_NUM

基本データ型(Identifier)

Javaのデータ型には、大きく分けると基本データ型と参照型があります。個々では基本データ型について説明します。
また、詳しい説明は後から出てきますが、基本データ型ではString型と同じように記述する事ができるようになっていますので、ここで一緒に扱います。他の参照型についてはこの先、紹介していきます。まずは、変数のデータ型の一覧を確認して下さい。

Javaで使用できるデータ型一覧

データ内容 データ型 サイズ データの範囲
基本データ型 整数 byte型 1byte -128~127
short型 2byte -32,768~32,767
int型 4byte -2,417483,648~21,147,483,647
long型 8byte -9223372036854775808

~9223372036854775807

単精度浮動小数点数 float型 4byte ±3.402823447E+38~±1.40239864E-45
倍精度浮動小数点数 double型 8byte ±1.79769313486231570E+308~±4.94065645841246544E-324
Unicode文字の 0~正の整数 char型 2byte ‘¥u0000~¥uffff’

0~65,535

論理値 boolean型 —– true または false
参照型 配列の参照値 配列型 —– —–
インスタントオブジェクトへの参照値 クラス型(String型) —– —–
インターフェース型 —– —–

Javaには、符号(+,-)なしの数値を値を意味する型はなく、整数値、浮動小数点数ともに符号付きの数として扱われます。
符号は2の歩数形式で表せますので、データ型のデータ範囲以上の数値を代入したりするとマイナスの値で返ってきます。
(明示的な型変換をしなければコンパイルエラーとなります。明示的な型変換については演算子のところで説明します。)

●浮動小数点数は、IEEE754規格の単精度・倍精度に対応しています。つまり数値だけでなく、「NaN」「正負の無限大」「正負のゼロ」を表すことができます。浮動小数点のデータ型に、1.23E10のように『E』という表記がありますが、これは1.23の10の10乗(10のべき乗)を表しています。

●文字列であるchar型は、負の数値はなく、正の数値しかありませんが、整数型と同様に足し算や引き算といった演算を行うことができます。また、char型はUnicode文字ですので、2バイト文字として認識され、サイズは2バイトになります。

●論理値のboolean型には。真を表すtrueと、偽を表すfalseしかありません。

●String型は、0文字~任意の文字列を格納する型です。

また、この表のサイズの欄に「~バイト」という数値がありますが、これはそのデータ型で記憶する場合、どれくらいのメモリーを必要とするかというサイズを表しています。これを型のサイズといい、一般的にサイズが大きいほど表すことのできる範囲がひろくなります。
例えば、double型の値は、その他の基本データ型よりも多くのメモリーを使用しますが、表す事ができる範囲は大きく広くなります。
long型は同じバイト数ですが、floatやdoubleは指数表現でビットをもっており、整数のデータ型とはデータの保持形式が違うので、longよりもfloatやdoubleの方がデータの範囲としては大きい扱いとなります。

さいごに

今回は、基本データ型と、識別子についてご紹介させて頂きました。
次回は変数についてと、その使い方についてご紹介させて頂きます。

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